トヨタ紡織精工は、ミニバンやSUV、商用車に特化した部品メーカーです。主力製品は、シート位置を前後させるスライドレール。日本で当社のみが製造できる全長3000mmのロングスライドレールでは、世界初の助手席可動域1160mmという自由度の高いシートアレンジが可能になりました。他にも、シートの骨格部品や、リクライニングの機構部分、回転盤、足回りやエンジン周りといった、クルマの居住性や楽しみ方に関わる部品を作っており、カーライフの充実をサポートしています。
ロングスライドレールは、1枚の鋼板を複雑な断面形状に塑性加工して作り上げます。従来はアルミや普通鋼板でつくられていたものを、「より軽量で強度に」というニーズに応えるため、ハイテン材(高張力鋼)という素材を採用。難易度の高いハイテン材の加工を可能にしたのは、トヨタ紡織精工の高度なロール成形技術でした。「1枚の鋼板を、何段階でどのような変形を経て最終形状に加工するか」を決定する「フラワー設計」により、強度を保ったまま複雑な形状の加工が可能になりました。